
JR東日本執行役員
建設工事部長
井料 青海
歌手のアンジェラ・アキの「手紙~拝啓15の君へ」という曲、皆さんも聞いたことがあると思う。中学校の合唱コンクール等で歌い続けられているこの曲は、未来の自分に語り掛け、最後に「拝啓この手紙を読んでいるあなたが幸せなことを願います」と締め括る。未来の自分あるいは子供の将来に対して、幸せを願うのは当たり前であり、不幸な未来を期待している人なんて、そうそう居るはずもない。バック・トゥ・ザ・フューチャーもターミネーターも、警鐘を鳴らすことはあっても、最後には明るい未来が待っている。人間は元来ポジティブなもの。そうでなければ40億年の地球の歴史の中で、確実に消滅してしまったであろう。
さて、未来構想プラットフォームでも、便利な未来、楽しい未来、ワクワク・ドキドキするような未来を期待しつつ、それを実現するための方法について、まちや交通という視点を中心に参加者同士で議論している。ただ闇雲に考えているわけではない。幸せで素晴らしい社会を創るためならば、議論の対象は何であってもいいはずである。人々の生き方でも暮らし方でも、趣味でも生活スタイルでも・・・、さらには、どこでもドアやタケコプター等の道具でも何でもいい。こうあって欲しい未来を追求し、もっと野心的に、もっと広い視点、高い視点を持って、夢を語り合えばよいし、夢を入れ込んでしまえばよい。ポジティブな思考は人間を強くし、何物をも凌駕する。
筆者が社会に出た頃には、スマホやドローンというものはなかった。わずか30数年で世界は大きく変わった。これらが戦争の武器として使われるようになったことは残念であるが、明るい未来の創造のためにこのような便利な道具は不可欠である。
一方、街はそんな簡単に出来上がるものではない。品川の旧車両基地で測量を始めたのがちょうど20年前。一定レベルの街が出来あがるのにそれだけ掛かったということになる。渋谷も完成を見るまでに同程度、新宿はそれ以上の時間を要すると思われる。時間が掛かるからこそ、出来るだけ早いタイミングで仕込みをしていくことが肝要である。
30年後、どんな技術・デバイスが人類の常識になっていて、どんな素敵な未来が創り上げられるのであろうか。将来のまちや交通は、将来の暮らしがどうなっているか抜きには考えることは出来ない。30年後、我々の子供達や後輩達が幸せなことを願う。

