未来構想プラットフォーム・年頭挨拶2026

ひと

未来構想PF会長
中井雅彦

明けましておめでとうございます。今年のお正月は、大きなトラブルも無く好天にも恵まれ、会員の皆様にはご家族と共に健やかに過ごされたことと思います。
昨年の主なニュースは、トランプ関税、大阪万博、円安・物価の高騰など様々な話題がありましたが、中でも注目すべきは初の女性首相である「高市政権」が誕生したことではないでしょうか。高市政権では、長らく続いた「緊縮財政」を見直し「責任ある積極財政」に大転換し、「強い経済の実現」と「地方を伸ばし暮らしを守る」という新たな政策を掲げました。政権発足後直ちにガソリン暫定税率の廃止及び年収の壁という所得税の控除額引き上げを判断・実行し、これまでの政権にない指導力を発揮しました。今後、日本経済全体が上向きになることを大いに期待したいところです。
さて、本プラットフォームにおいても、昨年の6月に会長、副会長、事務局長の3役員が改選され、新たなメンバーで4つの活動を開始しました。「見学会」・「技術講演会」では、昨年の10月には名橋「日本橋」周辺の5つの開発及び首都高速道路の日本橋区間の地下化計画を三井不動産エンジニアリングのご協力により「見学会」を開催しました。また、12月には「技術講演会」を開催し、埼玉大学の菊池先生より駅前広場整備について戦前からの歴史的経緯を交えてお話し頂き、都市側・鉄道側両サイドの思惑など、私共が知りえなかった貴重なお話をはじめ、大変興味深いご講演を頂きました。
今年ですが、春には「駅まち未来構想研修」において、若手社員の研修成果の発表会を行います。これは昨年10月に選ばれた若手社員が与えられた駅と駅周辺の将来構想を半年かけて自分自身の力で創り上げる研修です。また、「自主研究活動」については、従来は指定された駅及びその周辺開発について議論を行ってきましたが、今年は趣を変えて、首都圏のネットワーク及び地方交通などの諸課題について、新たな提案ができないか議論してみたいと思っています。このように当プラットフォームの活動内容については、皆様のご期待に応えられるよう日々努力してまいりますので、何かご意見がありましたら頂戴できると幸いです。
最後に、今年一年大変忙しい年になりそうですが、皆様におかれましては、引続き本プラットフォームの活動について、ご支援ご指導を宜しくお願い致します。

未来構想PF理事年頭所感

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。昨年11月末に建築家の内藤廣さんの講演を聞く機会がありました。「AIが急激に高度化し、幼い頃からAIに触れる人々が増加すると、建築家の仕事は確実に無くなる」とのことでした。確かに、類似性が大きい学校やオフィスビルだけでなく、美術館などの独創性が高い建築でも、多数の事例を分析しながら、時代の流行などを把握することによって、AIでも可能、むしろ得意分野になり、土木構造物の設計などもAIの独壇場になるかもしれません。内藤さんによると、確実に残るのは「身体」とのこと。最近、ユーミンが発表した楽曲にもAIが活用されていますが、作成の様子の映像を見ると、プロデューサーの松任谷さんが自分の耳で確認しながら、音を修正していました。AIが人間の身(心)体を理解し、人間がAIのできないことを探すSF的な競争の始まりの年になるかもしれません。もしそうなら、将来、「良い年だった」と言えることを祈るばかりです。

理事・副会長 廣瀬 隆正

「未来社会の共鳴」

昨年末、ひさしぶりにベートーベン《第九》の生演奏に触れる機会があり、オーケストラと合唱が一体となって織りなす「共鳴」のダイナミズムに深く心を動かされました。クライマックスへ向けて、多くの楽器と歌声が互いを高め合い、巨大な歓喜のうねりへと昇華していく光景はまさに圧巻でした。
本プラットフォームが取り組む未来社会構想では、行政・市民・交通事業者・開発事業者・学識等、多くの専門家による合意形成が鍵となりますが、言うまでもなく理屈だけの合意形成は困難です。そのため関係者間に響き合うビジョンが必要となりますが、これはまさに「共鳴」のダイナミズムであると改めて感じました。ところで将来、AIの急速な発展に伴って合意形成メンバーにAIが加わったとき、人間相互の共鳴を人とAIで生み出し得るのでしょうか?こんなことも気になりました――今年の注目テーマとしたいと思います。
本年もよろしくお願いします。

理事 大松 敦

「鉄道の担い手不足問題の本質」

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
大都市圏以外では、鉄道は維持か廃線・BRT化など再構築の議論が進む。鉄道移動は、他の公共交通と同様に乗ること自体が目的というより、通勤(経済・行政)、通学(教育)、通院(医療)、買い物(経済)などが目的の派生需要であり(カッコ内は影響分野の例。全体として住みやすさやwell-beingに関係)、運行頻度・運賃などの利便性が高ければ利用者(外出者)の増加、賑わいの発生、経済の活性化、そして沿線への居住等の立地が進み(コンパクトシティ化)、住みやすさと都市の持続可能化に繋がる。詳述しないが物流の輸送力も大きい。
他方、わが国は、担い手不足が社会問題化し、生き残りをかけた企業の待遇競争も見られる。とりわけ、鉄道のインフラ維持分野をはじめとする担い手不足問題は、鉄道企業の盛衰問題というより、生活、経済、社会の維持困難化問題と捉える必要がある。しかし、今年に入ってすぐ、それらだけではなくなった。国家間において力で支配する考え方が広く通用する時代になる可能性が生じた。海外や歴史を見るまでもなく、鉄道は、安全保障上極めて重要である。
欧州諸国は、人口が日本より少なく、鉄道の輸送密度は日本の四国や北海道並である。しかし、ネットワークは日本と同等レベルで、サービスレベルはむしろ高く、経済の活性化や市街地の賑わいの創出、都市構造のコンパクト化による持続可能化等に寄与している。すなわち、人口減少が進む日本でこそ、鉄道は将来にわたって重要である。公有化等の再生策が可能となった地域鉄道を除く地方の鉄道や都市間鉄道を担うJRは、大都市圏鉄道等の収益を原資に、運行・インフラ維持の効率化など持続可能化を図る企業努力を進めてきているが、都市・国も、防災対策やサービスレベル面等の限界も見据えつつ、都市経営・国家経営の基盤インフラとして鉄道のネットワークとサービスについて我がこととして捉え、早期に、持続可能で有効な公的支援に取り組む必要がある。

理事 金山 洋一

明けましておめでとうございます、本年もよろしくお願いします。
昨年秋、セルビアのベオグラードを訪れる機会がありました。市内の公共交通機関(トラム、バスなど)をすべて無料にしたということで乗りたい放題でした。年賀状代わりにドイツの友人にこのことを伝えたら、AIで調べてドイツでもWalldorf やPfaffenhofen an der Ilm では似たような取り組みが行われているし、Tuebingen やMainzでは毎月第一土曜日は5時ごろまで無料という取り組みが行われていると自慢気な返事がありました。負けじと私もChatGPTに聞いてみたら、2020年からルクセンブルグは国内すべて無料だそうです。そのほかエストニアのタリンやフランスのダンケルクも無料のようです。ただ、
ベオグラードは出てきません。
WEBは便利だけど、結局、情報はとるもの、出さない方が勝ちかな、と思うこの頃です。

理事 岸井 隆幸

「これからの日本・地域を支える鉄道の役割」

未来構想PFの会員の皆さん、新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
さて、今年は、国鉄からJRになって39年が経過し40年目に入ります。
国鉄改革により「鉄道の再生」を果たしたものの、総人口の急激な減少、コロナによる人々の行動様式の変容、インターネット環境の進展など、鉄道を取り巻く環境は厳しさを増しています。
人口が増加し経済が成長していた時代は、需要追随的に鉄道整備や輸送改善等を中心に対応すればよかったわけですが、これからは「持続可能な国・地域を支える交通体系の主役としての鉄道の在り方(鉄道以外の交通モードへの転換を含め)」を考えるべき時代だと思います。
鉄道には、「環境負荷低減への貢献」、「自動運転など新技術の導入と利便性の向上」、「スマートシティとの連携により地域住民の生活を支える交通インフラとしての地域活性化や二次交通との連携によるシームレスな交通モードの実現」、「来るべき大災害時等の物資輸送や被災者の移動手段と復旧しやすい交通インフラ」、「大量物資を効率的に長距離輸送できる交通インフラ」としての役割が期待されています。
このように、「これからの日本そして地域を支える鉄道の役割」の期待度が高いことを認識しながら深みのある議論がなされることを期待しています。
最後に、本年が皆さまにとりまして幸多い一年となりますよう祈念して新年のご挨拶と致します。

理事 栗田 敏寿

「新年にあたって」

明けましておめでとう御座います。
昨年は国内政治、国際政治とも激動の変化を来していたと思いきや、今年もいきなり米国のベネズエラ大統領の拘束と言う、衝撃の事態が
発生し、先の見えない状況になっています。
こうした中で、日本の活性化は喫緊の課題と言えます。経済を強くするためにも、正に此の機会を活用して、今迄には無い発想で新しい都市交通の在り方や都市開発の方向が生まれてくると考えて居ります。
AI、とりわけ生成AIの驚異的能力向上は目を見張るものがあります。この変化を如何に捉え活用して、未来を構想し現実化していくかが当プラットフォームの役割と考えます。それぞれの得意分野を生かし更に
連携交流を深めてプラットフォーム盛り上げていきたいと思います。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

理事 村尾 公一

「今年もよろしくお願いします」

あけましておめでとうございます。
昨年秋に、初めてオランダに行く機会がありました。アムステルダム駅周辺は広大なパブリックスペースになっていましたが、オランダは自転車至上主義が徹底していて歩いていると自転車とぶつかりそうになることがあり、日本の方が「人にやさしい」と感じました。驚いたのは、公共交通が全てクレジットカードやスマホのタッチ決済になっていることで、ほとんどの人がタッチ決済をしていました。MaaS は失敗だったという反省から3年ほど前にタッチ決済に舵を切ったようです。ヨーロッパはゾーンの1日券で信用乗車のイメージだったのですが、国鉄は改札でタッチして距離で、トラムは車内でタッチして時間とゾーンで計算されるようでした。一度検札にあいましたが、カード端末機を持っていてチェックをしていました。今年はSuica も新しい展開を迎えますが、タッチ決済は駅とまちのあり方に
も影響を及ぼす可能性もあり、今後も注視していきたいと思います。

理事 渡邉 浩司

新年明けましておめでとうございます。
鉄道は英国で開業してから200年を越え、3世紀目に入りました。鉄道は大きなイノベーションとして社会の変革を牽引し続け、現在に至っています。イノベーションの成長曲線は、導入・成長期から成熟・衰退期へと推移しますが、鉄道を構成する個々の要素の成長曲線は世紀を越えるほど長くはなく、様々な技術や発想の成長曲線が重なり合うことで鉄道全体の持続的な成長が実現されてきました。
今後も鉄道が期待される役割を発揮し続けるためにはイノベーションが不可欠です。ハード面だけでなく、鉄道の使い方や社会との関わりなどソフト面でのイノベーションも重要です。
未来構想PFが対象とする、駅における街づくりとの連携についても効果的なイノベーションの一例と言えます。
本年も、PFの活動を通じて鉄道に関連した新たなイノベーションを探求する場の提供に貢献できればと考えています。

理事・事務局長 竹内 研一