「大きな変化の時代を迎えて」
初めに、 年明け早々の能登半島地震に被災された方々に 、 心よりお見舞い申し上げます。
さて昨年はコロナも落ち着き、 種々の交通需要の回復がコロナ前との比較などで賑やかに報じられた 。 一方で 、 特に年の後半 、 コロナと無関係な二つの 「 仕事 」 の仕方とそのトレンドを報じるニュースが広がり 、 私もこれに思いを馳せた 。 一つは 、 チャット GPT でこれには 、都心のオフィスに働くホワイトカラーの削減 ・ 合理化を強く予感 。 今一つは 、 物流 24 年問題で 、 これは言われ続けてきたエッセンシャルワーカー全体の待遇改善の起爆剤になるのではと予想した。
二つの新たな労働のトレンドに、 わが国の避けて通れない 「 人口減 ・ 少子高齢化 ・ 労働力不足 」 を改めて重ねた時 、 社会全体の就業構造やそれを支える都市構造に大きな変化をもたらす 。 その時 、 交通需要の質 ・ 量はどうなるであろうか 来るべき変化を考える年としたい。
理事・副会長
斉藤 親
「AIとの共存に向けて」
明けましておめでとうございます。
過去3年間世界中を悩ませていたコロナ禍からの脱却、 ウクライナ侵攻に加えて中東でも戦火が上がり不安定化する国際情勢 、 酷暑による自然災害の急増など 、 世界は大きく変化しています 。 その中でも最もハイスピードで対応すべき変化は生成 AI の成長でしょう 。 数年後にはデザインや芸術など 、 これまで人の独壇場と思われていた領域でも 、AI が人を凌駕しているかもしれません 。 未来構想も例外とはならないでしょう 。 人間同士のさまざまな合意形成はまだ人が関与する調整が必要に見えますが 、 気づかないうちに最終的な意思決定を AI に依存してないか 安心安全な社会実現のための責任のあり方 、 法的制度などはどうあるべきか AI と共存する社会のあり方をめぐる議論はさまざまなレベルで幅広く進んでいきます 。 そもそも産業構造や社会構造も変わりそうです 。 歴史的大転換期の社会の哲学的変化に興味を持ちつつ、リスキリングを楽しみたいと考えています。
理事
大松 敦
「『 民で出来ることは民で 』 の対象再考」
明けましておめでとうございます。 令和6年能登半島地震で被災された方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます 。 昨年に3回 、学生達と輪島市 、 珠洲市 、 穴水などを訪問しており 、 肌感覚で受け止めています。
能登半島は、 道路は幹線が少なく山間部での切り取り区間が多く 、空路や港湾は限られて陸上アクセスは道路だけである 。 道路は損壊に加え渋滞し救援活動に支障している 。 鉄道は 、 唯一能登鉄道があるが 、輪島市や珠洲市への路線は 2000 年以降に廃止され 、 奥能登起点の穴水市が終点で施設の防災対策も十分とは言えない。
「民で出来ることは民で 」 は基本的な考えであるが 、 「 出来るかどうか 」 の対象を 、 平時だけでなく有事 激甚災害 、 国際紛争等 も含め改めて再定義する必要がある 。 例えば上記能登鉄道が仮に廃線されず 、 平時の利便性 、 そして 、 交通軸としての防災 ・ 復旧対策 、 道路と他モードとの連携が欧州並みとすると 、 現状より 、 人口 ・ 都市 ・ 経済の縮小は抑制され 、 インフラの充実や古い木造家屋は更新され 、 そして 、 救援 、 復旧活動の円滑化も期待できることになる 。 地震大国としても 、 民と公の役割は固定化したものではなく 、 本来の考え方に即して柔軟に対応する必要がある。
理事
金山 洋一
「今年もよろしくお願いします」
皆様、あけましておめでとうございます。
世界各地の戦争が収まらない中、 国内では地震 ・ 事故 ・ 火災が続く大変な幕開けでしたが 、 ご承知のように今年 2024 年は 「 辰年 」 です 。「辰 」 は 12 支の中で唯一架空の動物である 「 龍 」 。 西欧の Dragon とは少し異なるようですが 、 いずれにしても 「 ドラゴンボール 」 や 「 燃えよドラゴン 」 から読み取れるように特別な存在です 。 ちなみに風水では最上級の幸運を表すシンボルだそうで 「 千と千尋の神隠し 」 や「 ネバ エンディングストーリー 」 で描かれているように空を飛ぶキャラクターでもあります。
最上の幸運をもたらす特別な存在が空を駆け抜ける姿は実に優美かつ豪快であります。
175年前 、 葛飾北斎が没年正月辰の日に描いた絵も 「 富士山から上りゆく龍 富士越龍図 )」 でした 。 まだまだ高みを目指すのか 、 それとも世間の最も高いところを見下す別世界を目指すのか 、 90 歳の北斎が描いた「龍」は黒雲の中を上り続けます。
少しは見習いたいものです。
理事
岸井 隆幸
「今年もよろしくお願いします」
皆様、 明けましておめでとうございます 。 今年もよろしくお願いいたします 。 年始より 、 能登半島地震 、 航空機事故 、 火災など災害が続いております 。 これ以上の災害がないことを祈るばかりです 。 羽田空港の事故では 、 報道で知る限り 、 ヒューマンエラー の積み重ねが原因のようです 。 一方 、 日航機の乗客乗員 379 人全員が無事に避難できたのも 、 日頃の訓練と冷静な行動など人の力の結果でした 。 安全な運航を支えるために 、 幾つものシステムが整備されているにもかかわらず 、最後の人間の認知と判断に委ねられているのは 、 他の交通システムにも共通するものです 。 AIなどの革新的な科学技術によって実現すると言われてきた自動車の自動運転は 、 あまり進展している印象を持ちませんが 、 人の移動が全く人の手によらず実現できる社会について 、その過程も含めて、議論が大いに進む辰年になるといいですね。
理事
廣瀬 隆正
「これからも期待される鉄道の役割」
未来構想PF の皆さん、新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
まず、能登半島地震、羽田空港事故でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害に遭われた方々へ心からお見舞いを申し上げます。
さて、 昨年は 、 コロナの5類移行に伴い世の中全体が明るい方向に向かい始めましたが 、 鉄道を取り巻く環境は依然厳しい状況が続いており 、 総人口が1億人を割り込みテレワークが進むなど 、 これからのアフターコロナ ・ 急激な人口減少時代に鉄道の役割はどうなるのかといった疑問がわいてきます。
しかし、 そのような時代を迎えても 、 繁忙期や都市内の移動には集中してそれなりの輸送量が十分に想定され 、 また 「 有意な環境性能とエネルギー効率性 」 といった観点からも鉄道の存在意義は益々高まるはずです 。
先日、 車社会である米国で 「 テキサス新幹線 ダラス~ヒューストン約 390 ㎞ に連邦政府から調査費がつく 」 という画期的なニュースが報じられました 。 昨年現地視察の機会に恵まれた際 、 ご担当の方からはまだまだ課題はあるとのお話を頂きましたが 、 一日も早い工事着工を期待しているところです。
国鉄改革から38年目、 厳しい局面を迎えたJR各社ですが 、 健全経営を前提にモビリティ部門と生活サービス部門が地域社会と連携し融合しながら持続可能な社会を構築していく過程で 、 鉄道 あるいは鉄道会社 が果たす役割はまだまだたくさんあると思えてなりません 。
駅を中心とした街づくり駅の在り方 、 地域社会を支える交通モードとしての鉄道の果たす役割は 、 未来構想 PF で取り組むべき重要なテーマ ソフト ・ ハード であり 、 今年も若い方々の建設的な議論を期待しています。
理事
栗田 敏寿
「新年にあたって」
明けましておめでとう御座います。
漸くコロナ騒ぎが収束し 、 平常 の暮らしが始まって定着しつつあります 。 コロナ騒ぎは 、 今迄未だ先だと思って居たことを一挙に実現した感があります 。 リモートによる会議などまだまだ先のことと考えていた自分も否応なしに変わることを余儀なくされています 。 「 転んでも只では起きない 」 とは 、 良く言われる言葉ですが 、 正に此の機会を活用して今迄には無い 、 仕事の仕方や人同士の社交も大きく変化していくと思います 。 新しい都市交通の在り方や都市開発の方向が生まれてくると考えて居ります。そうした変化をどう捉えて、 未来を構想し現実化して いくかが 当プラットフォームの役割と考えます 。 それぞれの得意分野を生かし更に連携交流を深めて 、 プラットフォーム盛り上げていきたいと思います 。正に会員各位のチャンス到来 、 力強く良い一年して行きたいものです 。
今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
理事
村尾 公一
「2024年を迎えて」
皆さま新年あけましておめでとうございます。
元旦早々から騒々しい年明けとなってしまいましたが、 未来のまち ・ 交通 ・ 鉄道を構想する当プラットフォームでは 、 地に足を付けて活動に取り組んで行ければと思います 。 今年も事務局として各種活動をお支えできるように努めてまいりますので 、 どうぞよろしくお願いいたします。
私事ですが昨年6月より勤め先が変わり、 太陽光や風力発電を主体とした再生可能エネルギーを開発するJR東日本のグループ会社に勤務することとなりました 。 ゼロカーボンへの挑戦という世界的な流れに乗ったビジネス 、 と言えば見た目は華やかですが 、 政策的に買電価格は廉価に向かう一方で設備の大型化 、 工事費 ・ 人件費の高騰など事業環境は厳しさを増しています 。 歴史の浅い産業で 、 法令やルールも未だ固まっていないと感じることも多く 、 150年を超える歴史を持つ鉄道インフラの確固たる基盤を懐かしく感じる今日この頃です。
理事・事務局長
大口 豊