昨年11月の中間報告では、全5回の部外有識者の講演会を開催、専門家からその分野の今後のトレンドについてヒアリングを行い、未来の駅まちを考察する上で重要な要素についてメンバーが調べ学び、それらを体系立てて整理し、発表しました。
今回の最終報告では、メンバー自身で今後の社会、えき、まち、モビリティを検討する上で重要な社会環境変化に着目し、調べ上げた素材を机上に並べ、我々の思う、こうなって欲しいと思う、未来のえきまち/モビリティについて、10年後それでは近未来すぎるので、特に30年後の姿を言語化するとともに、日建設計様のご協力を得ながら、)絵に描きました(下図)。
未来の駅・まち・モビリティの姿
(ラッシュタイム)
未来の駅・まち・モビリティの姿
(デイタイム)
未来の駅・まち・モビリティの姿
(多機能トレイン)
更に、それに向けて、研修メンバーである国都市局、鉄道事業者JR東日本、コンサルJR東日本コンサルタンツ、ゼネコン鉄建建設が、それぞれの立場でどのようなことに取り組んで変えていけば描いた未来を実現できるかロードマップと役割分担を検討しました。
そして、これら理想像の実現を促進するために、関係する都市計画諸制度の変更、デジタルを活用した透明性の高い費用負担・税負担の仕組みの構築、管理・運営制度やマネジメント手法の構築の必要性を提言し、最後に関係する多様な主体が情報共有・意見交換するための連携促進の場、「えきまち構想プラットフォーム」の構築を提言しました(下図)。
■ファシリテーターのコメント(JR東日本庄司靖章)
今回の最終報告に至るまでは15か月もの長い間、メンバー全員で調べ、悩み、試行錯誤し、喧々諤々の議論をし、その連続・繰返しで今回の報告にたどり着くことができました。全員で議論・打合せはほぼ隔週計20数回、小単位の班に分かれての議論・打合せは数えきれないほどです。
そのような中、将来の「えきまち空間」に携わっていく我々メンバー同士の立場を超えた相互理解や絆も深まったとともに、今回官民の枠を超えてこのような提言ができたことは大きな成果だと思っています。
しかしながら、今回活動がただのお勉強で終わってしまっては未来のえきまちの理想像は実現しません。最後に提言したような関係者が一体となった「えきまち構想プラットフォーム」の枠組みを「公式に」立ち上げ、公共貢献制度や費用負担ルールの見直し、整備から管理・運営までに関わるスキームの構築などを議論していくことが必要だと考えています。
そのためにも、PF理事や関係者皆様のお力が必要です。ぜひ、PF理事・諸先輩方のからのハイレベルへの働きかけによって、官民を超えた検討会議(えきまち構想プラットフォーム)の設立が具現化するようお力添えをいただければ幸いです。