転換期に思う

ひと

JR東日本(未来構想PF理事)
村尾 公一

日本が経済大国であったのは遥か昔のことと成りつつあり、最近は年齢による個人的な鬱なのか、国の行く末に悲観しての鬱なのか微妙な感覚で過ごしています。10年「ひと昔」と言えばそれこそ日本が輝いていたのは「みつ昔」前に愕然としてしまう。総額のGDPで、人口が日本の約7割のドイツに抜かれ4位に転落するとも報じられている。何れ韓国にも抜かれそうな勢い、一人当たりGDPに至っては目も当てられない状態で、イタリアと競っています。何時から、我が国はこんな貧乏に成って仕舞ったのだろうか?
此処一年位、経済や為替に興味を持つようになって、注意して情報を見るように成りました。それでマスコミ報道の如何に杜撰かを身に染みて感じています。昨年末の日銀金融政策決定会合で、黒田総裁が金利を上げるのではないと幾ら否定しても、マスコミは勿論、市場も勘違いの円高に動き驚きました。一時資料の日銀資料を見ると、明確にイールドカーブ・コントロールの運用の見直しと説明して居り、更に月額の国債買い入れ額を7.3兆円から9兆円に増額すると書いている。要は金融緩和の継続で、引き続き低金利を維持することは容易にわかる内容です。おそらくマスコミは碌に資料を読みもせず記事にしているのではないでしょうか。此の文を書いている時点1月17日では、今月の日銀金融政策決定会合が開かれていますが、12月の続きで誤解してマスコミも市場も円高に大きく振れています。恐らく、明けてびっくりの円安展開になるのでしょう。日本のバブルの最後のものと言える為替が、国の実力通りの150円程度に成って、海外に依存して居たモノづくりを、再び取り戻していくチャンスと2023年を位置づけ、様々な製品が国内で生産される新たな展開が始まることを願って止みません。