「国際データ比較」から

ひと

未来構想PF副会長
斉藤 親

未来構想PFの2023年度が動き出しました。前号巻頭言で林会長からもあったように、3年余のコロナ禍から解放され実りある年となるよう、私からも尽力させて頂く所存です。
さて振り返れば、私は、3月に東日本大震災のあった2011年の秋、JR東日本の顧問嘱託拝命の直後に当PFの会員となりましたが、当時、PF通信掲載の「国際データ比較」が目に留まり、多岐にわたる分野からのデータ紹介とその解説は、とても興味深いものでした。勿論、それは今に至り続いており、集大成し小冊子にしては、と思うこともあります。
さてこの「国際データ比較」について、今年5月に博報堂から私にとって大変ショッキングな発表がありました。東方アジア8か国‐日本・中国・タイ・ベトナム・インドネシア・フィリピン・マレーシア・シンガポールの15~59歳男女11000人を対象に、質問約470項目について、インターネット調査を行ったものですが、日本が8か国中最上位又は最下位となった下記12項目に、私は強い衝撃を受けました。(詳細は、「博報堂・グローバル定点」から閲覧下さい)

〇日本の最上位項目
①地球環境保護行動をしてない
②自分の将来は暗い
③高い給料より休み
④人付き合いは面倒
⑤お金が欲しい
⑥人を羨むことあり

●日本の最下位項目
①今後自分の経済状態は良くなる
②愛を信じる
③家族時間を増やしたい
④夫婦で家事、子育て、仕事等の役割は平等に分担
⑤体力、健康のため運動している
⑥子供は親の老後の経済的面倒を見る方が良い

皆さんのご感想は如何ですか
正確な評価には、調査方法等精査する必要もありますが、総じて日本の「人口減少&少子高齢化」という他の成長国家にはない国勢、国情の反映かとの思いが浮かびました(因みに、日本に近い成熟国家ともいえる中国、シンガポールが日本に次ぐ項目が多々見られました)。
このように、既に過去経験のない複雑な世情に入りつつある日本ですが、一方で多方面に亘り交流の進む諸外国からは、その日本人が織りなす礼儀や飲食、行事・文化等に対し、評価は高まっていると報じられています。日々、人々が色々な思いを抱きながら行き交う日本国というプラットフォームにおいて、我々は、国際的な視点から自らをしっかりと見つめ、新しい発想と知恵からの将来展望を描きたいものです。