新旧会長挨拶

ひと
未来を構想すること―ますます重要に

 

前会長 山本 卓朗       

新型コロナが席巻する最中にもかかわらず、役員の一斉交代をお願いし、林康雄さんを会長とする新体制を発足させることが出来ました。まずは今まで絶大なるご協力を賜った理事さんはじめ関係各位に心からの御礼を申し上げます。特に運営マネジメントの全てを担って頂いた前事務局長の土井さんに心から感謝しております。そして林新会長さんはじめご参画頂きました新理事の皆様には、これからのご指導を切にお願い申し上げる次第です。
未来構想PFは民営化後採用の社員と国鉄時代の調査計画技術者とをつなぐこと、そして国鉄時代からお付き合いのある諸官庁の仲間との交流が目的でした。しかし活動はささやかかつ試行錯誤でのスタートでした。改めて振り返ってみますと、二つのキーワード、「ワークショップ研修」と「将来構想ワーキング」が思い浮かびます。
私が就職してからの10年は、高度成長の真っただ中で、人手不足解消に向けて、仕事の効率化が待ったなしの状態でした。外注化、マニュアル化、業者の責任施工体制、積算のコンピューターシステム化と仕事環境が激変していきました。新入社員は最初からマニュアル付きで仕事を与えられ、先輩の技術向上の要であった直轄測量や直轄設計が次第に消えていきました。当然ながら技術継承の必要性が叫ばれ、直轄設計や測量の研修制度そして停車場配線講座などで汗をかいたことが、ワークショップ研修の下地となったと思っています。
将来構想ワーキングの下地となったのは、国鉄工事局調査課時代のビジョンつくりでした。また、未来構想PF設立以前のことですが、矢島隆さんたちと非公式に品川ワーキングに取り組んだことがあり、その成果が今日の品川開発に繋がっているのも下地の一つです。
さて“未来構想PFの未来”についてです。配慮すべき二つの大きなインパクトがあります。ここ数年デジタル技術による社会の変革の動きが顕著です。とくにあらゆるモノをインターネットでつなぐIoTはその基本といわれますが、未来構想PFのこれからの仕組みにもしっかりと組み込む必要があります。
そしてもうひとつの変革インパクトは新型コロナです。昨年来の混迷はどうして起こるのか、その解決策はなにか、なぜその解決策が取れないのか・・・一見我々の活動と無関係に見えますが、コロナ対策をみていると、日本という国の基本的な弱点を露呈していると感じます。そういう意味で、我々の将来ビジョンにも多大な影響を与える出来事です。いつか番外テーマとして、杯片手に語り合いたいと願っています。

 

未来構想PF会長就任挨拶

 

新会長 林 康雄   

 

この度、2021年4月13日に開催された一般社団法人未来のまち・交通・鉄道の将来を構想するプラットフォーム(以下未来構想PFと略称)の第11回定時総会において山本前会長の後任として新会長に就任した林でございます。
私は1952年(昭和27年)生まれで1975年に日本国有鉄道に就職し、1987年にJR東日本に移籍、2013年から現在の鉄建建設に勤務しております。就職後46年間を鉄道インフラの建設・保守を担当してきました。趣味は登山とゴルフです。
前会長の山本様は国鉄時代からの大先輩で、卓越した先見力と構想力をお持ちで常に我々のリーダーとして様々な難局を切り開いてこられた方であります。この未来構想PFは10年前に山本前会長が立ち上げたもので、その後任というのは大変荷が重いのですが、精一杯努めて参りますので何卒宜しくお願い致します。
ところで現下の日本の社会情勢は、コロナ禍における緊急事態宣言やテレワーク、商業、飲食業の営業自粛等の人流抑制施策のため、鉄道や航空等旅客運輸事業者や、ホテル、旅館等の観光業者そして飲食業者などが大変なダメージを受けております。いずれコロナワクチン接種の進展によりコロナ騒ぎも沈静化するものと思われますが、全くなくなるわけではなく、長い付き合いが続くものと思います。
今後の日本の未来を展望したとき、人口減少・少子高齢化社会、気候変動・災害の激甚化、SDGs・ゼロエミッション、ICT/DXの推進、働き方改革・ワーケーションなどの社会的な課題に加えて、最も深刻な影響を与えるであろうポストコロナ対応など、これまでに例を見ない極めて大きな時代の転換点に立っているものと思われます。
未来構想PFは若手鉄道技術者の技術継承・育成と、産官学のメンバーによるインフォーマルな活動・交流を通じて未来のまちを構想しよういう目的のもと、2010年12月に設立し、これまでワークショップ形式の研修や調査研究、講演会、見学会など様々な活動を行ってきました。しかし、コロナ禍をはじめ様々な大きな変革が押し寄せてくる中にあって、未来のまち・交通・鉄道がどのような形で存在するのか、どのような役割を期待されているのかなど、今こそ構想力を膨らませてあるべき姿を議論し描いていく必要があります。
特に日本の大都市はTOD(Transit Oriented Development)により発展形成してきた経緯があり、今後のまちと交通のあり方に大きな変化が生ずるものと推察されます。一方、地方都市においては人口減少化においてコンパクトシティー化は不可避なものとして、どのようにまちと交通の再生を図っていくのか、やはり大きな問題であります。
このような状況にあって、未来構想PFとしてやるべきことは沢山あり、着実に一つ一つ検討を進めていきたいと考えています。
このような、私としてはコロナ禍での難しい船出となりましたが、関係の皆様におかれましては、なお一層のご支援のほど宜しくお願いいたします。