復興まちづくりの状況 ―石巻を例として―

講演会
概要

講演テーマ:復興まちづくりの状況 ―石巻を例として―

講 演 者:(株)都市デザイン代表 田中滋夫様

日   時:平成27年03月17日 15:30~17:30

場   所:JR新宿ビル9階 東京工事事務所会議室

参 加 者:総勢 約110名

経緯

東北大震災からの復旧・復興の状況を、石巻を例にその過程で見えてきた課題と今後の地域空間形成の方法について紹介。田中様は震災前から石巻の都市計画に関与され、震災後も引き続き復興計画の中心に在籍、4年経った今、話せる状況となったことから今回の講演をお願いした。

内容

1.東日本大震災による被害状況

・津波高さと遡上高、浸水範囲、新水域と家屋流失、

・被害状況、地盤沈下と湛水被害

2.復興への取り組み

・設計津波の選定、海岸堤防高さ

・リスクマネジメント、災害危険区域の指定、復興の基本前提

・復興交付金制度と復興交付金

3.石巻市街地部及び半島部の復興計画

・市街地部 堤防整備計画と高盛り道路、防災集団移転促進事業(防集)

復興公営住宅、被災地域での土地区画整理事業

流失市街地での区画整理事業、新市街地での区画整理事業

市街地の再生、まちなか復興まちづくりへの取り組み

堤防の設定・事業化、水辺のプロムナード

まちなか再生計画、市街地復興再生でのまちづくり

・半島部(牡鹿地区、牡鹿大原間地区、北上地区、小室地区)

4.見えてきている課題

・理念と実行の乖離

・長期にわたる取組の必要性

・地域構造転換期の復興のあり方

5.地域空間形成の方法に関して

・都市計画制度

現在の制度は19世紀後半から20世紀前半に制度化

ゾーニング、インフラ設定とその担保

望ましき都市像形成のための事業地区制度

・まちづくり活動(Community Building, Urban Rehabilitation・・)

地域の物語性の発見、再発掘

NPO等非営利団体を中核とする自発的地域連携

コ・ガバナンス、またはジョイントガバナンス

(行政の位置づけの変化に呼応)