未来構想PF顧問
山本 卓朗
令和6年暮れそして年明けに、未来構想PF最強のリーダーであった斉藤親副会長および林康雄会長と永遠にお別れすることとなりました。まさに痛恨の極みであり言葉もありません。お二人に頂いた熱いご指導ご鞭撻に心から感謝申し上げ、ここに深くご冥福をお祈りいたします。
未来構想PFを立ち上げるべく模索していた2010年頃、建設工事部門のトップにおられた林康雄さんに、組織づくりや資金サポートなど連日相談に乗って頂いたことを思い出します。同じ頃技術顧問として入社された斉藤親さんにも、早々に未来構想PFのサポートをお願いしました。未来構想PFは、「未来のまち・交通・鉄道を構想するプラットフォーム」の略称で、その心は、鉄道を考える前に、交通全体を考えよ、交通を考える前にまちづくりを考えよということです。斉藤さんは、国交省で大臣官房技術審議官を歴任されたまさに都市計画のプロ中のプロであり、その斉藤さんが、未来構想PFの趣旨を深く理解され、大学、官庁、民鉄、開発会社などから幅広い専門家を招聘したワークショップ型の研修Gを立ち上げ、将来構想を議論する実践的な企画を主導頂きました。また若手技術者の教材として「一緒に考えよう~これからの都市交通~」を作成し、視野を広げて計画すべきことを熱心に説いておられました。
時を経て、斉藤親さんには2013年に未来構想PFの理事になっていただき、当法人が設立10周年を迎えた後の2021年に林会長・斉藤副会長の誕生となりました。未来構想PFが林・斉藤ご両名とともに歩んで来たことを改めて感ずる次第です。
最後に、林さんの会長就任時のメッセージを紹介して追悼の言葉とさせて頂きます。
2021.5PF通信第90号林会長就任挨拶:抜粋
コロナ禍をはじめ様々な大きな変革が押し寄せてくる中になって、未来のまち・交通・鉄道がどのような形で存在するのか、どのような役割を期待されているのかなど、今こそ構想力を膨らませてあるべき姿を議論し、描いていく必要があります。
特に日本の都市はTOD(Transit Oriented Development)により発展形成してきた経緯があり、今後のまちと交通のあり方に大きな変化が生じるものと推察されます。一方、地方都市においては人口減少下においてコンパクトシティ化は不可避なものとして、どのようなまちと交通の再生をはかっていくのか、やはり大きな問題であります。
このような状況にあって、未来構想PFとしてやるべきことは沢山あり、着実に一つ一つ検討を進めていきたいと考えています。