概要
講演テーマ:成長を続ける東京都市圏と鉄道整備の課題
講 演 者:(一財)運輸総合研究所 主席研究員 伊東誠様
日 時:令和元年5月20日 16:00~17:30
場 所:主婦会館プラザエフ
参 加 者:総勢約70名
主 催:鉄道建設研究会、未来構想PF
内容
1.成長を続ける東京
①東京圏(1都3県)への人口集中
・近年(‘15~‘18年)でも45万人増加:鳥取県人口56万人
・増加要因、自然増と社会増、‘70年頃は北海道東北・中部からが多かった
・受け皿として郊外の大規模団地の開発、最近は都心回帰
②都心部における大規模オフィスの立地
・2002年に都市再生特別措置法、2011年にアジアヘッドクォーター特区
③インバウンド
・増加の背景、アジア各国の経済成長による旅行者の増加、円安、免税制度の拡大
2.鉄道需要の動向
①増加を続ける鉄道需要
・バブル崩壊やリーマンショックはあったが‘55年~‘15年 約3.8倍に
②駅別乗降人員変化の類型
・南西部:40㎞超は減少傾向、30㎞以内は増加傾向
・北西部:JRは増加傾向、東武は20㎞以遠から減少傾向
・北部 :JRは増加傾向、東武は減少傾向、武蔵野線は増加駅が多い
・東部 :減少駅多い、つくばエクスプレス・北総開発・東葉高速は増加駅多い
・混雑が発生若しくは可能性がある駅
大手町、丸の内線東京、京橋、月島、八丁堀、虎の門、神谷町、六本木、有楽町、・・・
他に気になる駅:田園都市線渋谷、JR西武高田馬場、JR武蔵小杉、品川、新橋、新宿、・・・
3.将来人口の予測
・基本的考え方 経済面から成長ケースと低迷ケースでの検討が必要
4.将来鉄道需要の予測
・交通政策審議会答申第198号の需要予測システム 予測年次2030年
・総輸送人員は成長ケースで160億人、年と推計 ‘10年から30年で11%増
・多摩や他県から山手線隣接12区への鉄道流入量は ‘10年から30年で7%増
・輸送人キロは
都心部が13%、東海道中央方面が7%、田園都市小田急方面が6%増と予測
5.東京圏の鉄道サービス向上に資する整備の課題
・鉄道輸送力の拡充
・高齢者・外国人利用の増加等、需要構造の変化に対応した質の高い鉄道サービスの提供
・鉄道駅を核とした駅周辺地区の再生、活性化
・東京都市圏の国際競争力強化に資するサービス向上
・鉄道を中心としたライフスタイルの構築に資する駅機能及び駅周辺機能の拡充
・観光としての価値向上、創造
・利用しやすい運賃収受システム、運賃体系の再構築